点群データ×生成AIで変わる未来の点検フロー 〜3Dモデルから不具合を自動抽出する革新的な仕組み〜
- 1月31日
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1. はじめに:点検業務の「今」と「これから」
建物や橋梁、トンネルなどのインフラ点検。
従来は熟練の技術者が現場に出向き、目視でひび割れや剥離を確認し、手作業で記録していました。
しかし、これには膨大な時間とコストがかかり、危険も伴います。特に高所や狭い場所での作業は、安全性の確保が大きな課題でした。
そんな中、「点群データ」と「生成AI」を組み合わせた革新的な点検手法が注目を集めています。
3Dスキャナーで現場を丸ごとデジタル化し、AIが自動的に不具合を検出する――まるでSF映画のような技術が、すでに実用化されているのです。
2. そもそも「点群データ」って何?
点群データとは、3次元空間に存在する物体を無数の点の座標で表現したデジタル情報のことです。
想像してみてください。
建物をレーザーで無数の点として記録し、それらの点の集合で立体的に再現する――それが点群データです。
各点にはX・Y・Z座標に加え、色情報(RGB)も付与されるため、非常にリアルな3D表現が可能になります。
● レーザースキャナー(LiDAR)
レーザー光を照射し、反射して戻るまでの時間から距離を算出
ミリ単位の高精度測定が可能
ドローン搭載型、地上設置型、ハンディ型など用途別に様々なタイプが存在
● フォトグラメトリ(写真測量)
複数の角度から撮影した写真を組み合わせて3Dデータを生成
iPhoneなどのスマートフォンでも撮影可能
リアルな色や質感を再現できるのが特長
3. 生成AIがもたらす革命:自動不具合検出の仕組み
従来の点群データ処理には、大きな課題がありました。
データに含まれる膨大なノイズ(通行人や車、雨粒など)を手作業で除去し、壁・柱・地面などを分類する作業に、膨大な時間がかかっていたのです。
ここで登場するのが生成AIです。
AIの導入により、点検フローは劇的に変化しました。
AIによる3つの自動処理
● 自動ノイズ除去
不要な点(人、車、雨粒など)をAIが自動検出・削除
従来は数日かかっていた作業がワンクリックで完了
● 自動クラス分類
地表面、建物、樹木、道路などをAIが自動識別
点群データを対象物ごとに自動仕分け
● 不具合の自動検出
壁の剥離、ひび割れ、変形などをAIが自動認識
3D空間上で不具合の位置と大きさを正確に記録
修正方法までAIが提案
4. 未来の点検フロー:従来との比較
【従来の点検フロー】
技術者が現場に出向く(移動時間・交通費)
目視で不具合を探す(経験と勘が必要)
写真撮影・手書きメモ(漏れのリスク)
事務所で報告書を作成(数日かかる)
図面がなければ正確な位置把握が困難
問題点:時間とコストがかかる、属人的、危険作業、記録の精度にばらつき
【点群データ×AI の点検フロー】
スマホやドローンで現場をスキャン(数分〜数十分)
AIが自動的に不具合を検出・分類(即座に完了)
3Dモデル上で不具合の位置と大きさを正確に記録
AIが報告書案と修正方法を自動生成
クラウド上で関係者全員がリアルタイムに情報共有
メリット:
作業時間50%削減
新人でも正確な点検が可能
危険な場所も遠隔で点検
図面がなくても3Dモデルを作成
時系列で変化を追跡可能
まとめ
自動化して熟練技術者でなければできなかった不具合の発見や判断を、AIが自動的に実行。作業時間とコストを大幅に削減できます。
また、スマートフォンとクラウドソフトの組み合わせで、誰でも・どこでも・安全に高精度な点検が可能に。専門知識がなくても、現場の状況を正確に把握できる時代へ。
今後、5G通信の普及やAI技術のさらなる進化により、リアルタイムでの不具合検出や予測保全(不具合が発生する前に対処)も現実のものとなるでしょう。
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