前回の記事では3Dレーザースキャナーのメリットについてご紹介させていただきました。
記事を読んで3Dスキャナーの基本的なメリットがわかったとはいえ、「すぐに自分たちの業務に活かせるアイディアが思いつくか」といったらなかなか難しいところもありますよね。
なので今回の記事では業界別の活用事例をご紹介したいと思います。
業界別の活用事例を知ることで、業務で3Dスキャナーを使う時の参考になれば幸いです。
業界別!3Dスキャナーの活用事例!
土木・建築業界
土木・建築業は3Dスキャナーの普及がもっとも早く始まった業界です。
国土交通省が i-constructionとしてICT活用工事を推し進めていることもあり、電子納品などを中心に普及が始まりました。
地形データや構造物を3Dレーザースキャナーでスキャンし、デジタルデータとして管理することで施工管理やCADモデルの制作、データで納品できる電子納品などで活用されています。
また、最近ではICT建機としての活用も盛んです。ドローンなどで地形データを取り込むことでどこをどのくらい掘削すればいいのかというガイドを表示したり作業を自動化したりできます。
熟練オペレーターでなければ難しいこうした作業をICT技術によって誰でもできるようにすることはこれからの人手不足対策としても有効です。
映像業界
映像制作ではロケ地や専用のセットを作って撮影をすることがほとんどですが、その時にロケ地から戻った後やセットを撤去後に見返すための資料として大量の写真や動画を資料として残します。
3Dスキャナーを使い周辺の環境をまるごとPCに取り込めば、立体的な構造を維持したままそのまま資料を保存できます。
また、バーチャル空間としても残せるので撮影後の編集作業であるポストプロセスでもVFXようのモデルとして活用可能です。
文化財保護・デジタルアーカイブ
文化遺産をデジタルアーカイブとして残せば、後世にずっと残せる資料となるだけでなく世界中から文化・芸術に触れることができます。
また、資料を残しておくことで万が一焼失などで遺産を失ってしまった場合の手がかりとなるメリットもあります。
数年前に焼失したノートルダム大聖堂ですが、3Dスキャナーによる詳細な資料が残っているため、これをもとに復元プロジェクトが進められています。
国内での取り組みでは近年増えているモダニズム建築の取り壊しの前に資料として残す活動が広まっています。
老朽化の補修や耐震化には多額の費用がかかるため、そのまま保存するのが難しいですが戦後日本を彩ったこうした建築物をデジタルアーカイブとして保存すれば貴重な文化資産となるでしょう。
不動産業界
不動産業界ではマターポートと言う3Dスキャナーを使ったオンライン内見ができるサイトが増えています。
物件選びでは内見のために現地へいく必要がある関係から、多くの物件を訪問するといったことが難しいです。
しかし、オンライン内見であれば移動時間がかからないため一つひとつ物件を回るよりもはるかに多くの比較が可能です。
防災分野
防災分野では点群データを使ったシミュレーションなどで力を発揮しています。
3Dスキャンなら精度の高い地形データを得られるため従来のデータと比較してより現実に近いシミュレーションが可能となります。
また、被害状況の迅速な把握にも高い効果を発揮します。
たとえば、静岡県では3Dスキャナーを利用し、被害状況の迅速な測定を行い復旧に役立てています。
まとめ
業界別の3Dスキャナーの活用事例をご紹介しました。
「3Dスキャナーを使えばこんなことができるんだ」と言うこと知っていただければ、実際に3Dスキャナーを導入した時にアイディアも浮かびやすいかと思います。
今回ご紹介しなかった業界でも、たとえば保険業界では災害時の調査にドローンを活用することで、損害保険の査定をスムーズにするといった活用をしています。
このように点群データはシンプルなデータですが大きなポテンシャルを秘めています。アイディア次第では大きく業務へ貢献できるでしょう。
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